WCS2019 10連勝構築 ガリレオ式オーガレック
↓QRパーティ
はじめに
こんにちは
あら(@arapoke_as)と申します。
先日ワシントンDCで開催されたWCS2019(World Champion Ships 2019)のゲーム部門(VGC)の方に参加してきました。その際使用した構築をご紹介したいと思います。
day1は7-0全勝、day2は3-4落ちでトップカットには残れませんでしたが、day1day2を通して10連勝出来た上、世界40位という結果を得ることが出来ました。
また、JCSオンライン予選、PJCSから大筋の並びは殆ど変えていないので、JCSで使った構築もここでまとめてご紹介いたします。
目次
戦績
PJCSオンライン予選
メインロム(TN:あら)は30-11で最高1803、最終1728
サブロム(TN:EAGLE★JUMP)は30-6で最高最終共に1822
(↑途中から記録を取り始めたため、メインロムの最初の方のデータはないです)
PJCSライブ大会
4-3 33位
day1出場権獲得
WCS
day1 7-0
1.×○○ オーガレック
2.○×○ グラゼルネ
3.○×○ イベルオーガ
4.○○ グラゼルネ
5.○○ オーガゼルネ
6.○○ ルナレック
7.○○ 日ネクロレック
day2 3-4
1.○×○ 日ネクログラ
2.○○ ルナグラ
3.○○ オーガレック
4.×○× グラゼルネ(配信席)
5.×× グラゼルネ
6.×○× ルナオーガ
7.×× レックソルガレオ
という戦績で、day1は世界最速で突破したもののday2のトップカットに残る事は出来ませんでした。
ちなみにday2のはじめに3連勝したので、day1とday2を通して10連勝したことになります。(その後4連敗...)
構築の流れ
手に馴染んでいるオーガレックを使う事からスタート。取り巻きとして、経験上強い事が分かっているガオガエン、カプ・コケコ、耐久水@1で組む事に。
↓参考用過去記事
PJCSオンライン予選では、バークアウトによって対ルナアーラ性能も高く、追い風によるS操作も出来るスイクンを選択し、@1の枠には対ゼルネアス、レックウザに対してそれなりに働く事が出来るツンデツンデを採用していた。
無事オンライン予選は突破出来たものの、大地の力レックウザの増加に伴うツンデツンデの出しづらさを考慮し、PJCSライブ大会ではゼルネレックにより強い(と考えていた)HDテッカグヤに変更。
結果として4-3でギリ抜けたものの、ほぼぶっつけ本番で臨んだこともありテッカグヤの立ち回りをよく理解しておらず、トップカットには残る事が出来ず...
また、WCSday1に臨む上で、このままだと催眠が絡んだギミック構築に対してほぼ無力であると感じたため、スイクン、テッカグヤの枠を他のポケモンに変更する事に。
耐久水の枠には、対催眠(特にドーブル)を考える上でフィールドを取る必要があり、またBO3において選出パターンに幅を持たせる事が出来る、ピンチベリーカプ・レヒレを採用。
また、@1の枠として、ツンデツンデやテッカグヤに近い役割を果たしつつ特性「ばけのかわ」による確実な行動保証が得られるミミッキュを採用。
ここまでで並びとしては完成。
最後にカイオーガの潮吹きの枠を雷にして完成。
個別紹介
カイオーガ
道具:あいいろのたま
特性:はじまりのうみ
性格:ひかえめ
207(252)-139↓-131(164)-227(52)↑-183(20)-113(20)
構築の要であり、基本的にこいつの攻撃回数が勝敗に直結する。耐久に寄せることで、相手の攻撃を耐えてから切り替えすことが可能となり、ボーマンダやグラードン、ルナアーラ相手にも強気に行動する事ができる。
技構成に関しては、体力が削れてても相手に負担をかけられる「こんげんのはどう」、レックウザやボーマンダを意識し「れいとうビーム」、詰めの場面で使う「まもる」は確定で、@1に関しては命中安定の「しおふき」か「かみなり」の選択だったが、ミラーマッチの際にカイオーガへの打点が重要になってくることや、相手のカプ・レヒレの処理を考慮し、「かみなり」を採用。実際、環境に遅いカプ・レヒレが増えていたこともあり、こちらのカプ・レヒレの「しぜんのいかり」と「かみなり」を合わせて強引に落としにいけるのが強かった。
プレイングにおいては、できる限り「まもる」を選択しないようにすることを意識した(特に序盤)。というか、まもるを強いられた時点でとても厳しいので、そういう盤面にしないように立ち回った。
ダメージ計算(参考)
★攻撃面
VS H252ゲンシカイオーガ
攻: カイオーガ[原始] Lv.50
防: カイオーガ[原始] Lv.50
ダメージ: 106〜126
割合: 51.2%〜60.8%
回数: 確定2発
急所ダメージ: 158〜188
割合: 76.3%〜90.8%
補正: (ダメージ補正なし)
技: かみなり
威力: 110
タイプ: でんき/特殊
特攻: 227+
特防: 180
最大HP: 207
天候: つよいあめ
相性: ×2
VS HD特化カプ・レヒレ
防: カプ・レヒレ Lv.50
ダメージ: 94〜112
割合: 53.4%〜63.6%
回数: 確定2発
急所ダメージ: 142〜168
割合: 80.6%〜95.4%
補正: (ダメージ補正なし)
威力: 110
タイプ: でんき/特殊
特攻: 227+
特防: 200+
最大HP: 176
天候: つよいあめ
相性: ×2
防: カイオーガ[原始] Lv.50
ダメージ: 156〜185
割合: 75.3%〜89.3%
回数: 確定2発
急所ダメージ: 234〜277
割合: 113%〜133.8%
補正: [命玉]
VS 無補正A252振りレックウザ(威嚇込み)
VS A252振りメガボーマンダ
攻: メガボーマンダ Lv.50
防: カイオーガ[原始] Lv.50
ダメージ: 123〜145
割合: 59.4%〜70%
回数: 確定2発
急所ダメージ: 184〜217
割合: 88.8%〜104.8%
補正: (ダメージ補正なし)
技: すてみタックル
威力: 144 [空スキン]
タイプ: ひこう*/物理
攻撃: 197
防御: 131
最大HP: 207
天候: つよいあめ
相性: ×1
レックウザ
道具:きあいのタスキ
特性:エアロック⇒デルタストリーム
性格:いじっぱり
メガ前181(4)-222(252)↑-110-×↓-110-147(252)
メガ後181(4)-255(252)↑-120-×↓-120-167(252)
意地襷レックウザ。
意地っ張りにすることで、耐久に振っていないカプ・コケコを+2神速で落とすことが可能になる。
最速を取らない事で最速レックウザに上を取られる他、最速100族と同速対決を仕掛けなければならないデメリットが発生するが、最速レックウザの「ガリョウテンセイ」を襷で受けた後に下からこちらの「ガリョウテンセイ」で落としにいく動きが単純に強力なので、素早さを落とすメリットもそれなりに感じた。また、エアロックの特性順で型判別が可能になるメリットも大きかった。
また、環境にHDレックウザが増えていたこともあり、明らかに過剰な火力を襷で無理やり受けることも多かった。その他、グラゼルネ相手にする際にジオコン後のゼルネの前に無理やり繰り出せることが大きな利点になるため、このアイテムで正解だったと思う。
ダメージ計算
★攻撃面
VS H4振りコケコ
攻: メガレックウザ Lv.50
防: カプ・コケコ Lv.50
ダメージ: 146〜172
割合: 100%〜117.8%
回数: 確定1発
急所ダメージ: 219〜258
割合: 150%〜176.7%
補正: (ダメージ補正なし)
技: しんそく
威力: 80
タイプ: ノーマル/物理
攻撃: 510+ [ラ]
防御: 105
最大HP: 146
天候: らんきりゅう
相性: ×1
カプ・レヒレ
道具:イアのみ
特性:ミストメイカー
性格:おだやか
176(244)-72↓-135-115-187(156)↑-119(108)
カミツルギゼルネアスのような初手を想定し、素早さを「こごえるかぜ」一回で最速カミツルギを抜けるまで上げた。
あとはHPを4n調整し、残りをDに振った。
若干耐久は不安だが、ゼルネアスの+2ムンフォは大体耐える。
技構成に関しては、この構築ならこれ以外ないと思う。
ダメージ計算(参考)
★攻撃面
VS 耐久無振りグラードン
防: グラードン[原始] Lv.50
ダメージ: 192〜228
割合: 109.7%〜130.2%
回数: 確定1発
急所ダメージ: 288〜340
割合: 164.5%〜194.2%
補正: (ダメージ補正なし)
威力: 80
タイプ: みず*/特殊
特攻: 115
特防: 110
最大HP: 175
天候: (ふつう)
相性: ×4
★防御面
VS 控え目C252振りゼルネアス
攻: ゼルネアス Lv.50
防: カプ・レヒレ Lv.50
ダメージ: 153〜181
割合: 86.4%〜102.2%
回数: 乱数1発 (18.8%)
急所ダメージ: 229〜271
割合: 129.3%〜153.1%
補正: (ダメージ補正なし)
技: ムーンフォース
威力: 126 [妖オーラ?]
タイプ: フェアリー*/特殊
特攻: 402+ [ラ]
特防: 187+
最大HP: 177
天候: (ふつう)
相性: ×1
VS 臆病C252振りゼルネアス
攻: ゼルネアス Lv.50
防: カプ・レヒレ Lv.50
ダメージ: 139〜165
割合: 78.5%〜93.2%
回数: 確定2発
急所ダメージ: 210〜247
割合: 118.6%〜139.5%
補正: (ダメージ補正なし)
技: ムーンフォース
威力: 126 [妖オーラ?]
タイプ: フェアリー*/特殊
特攻: 366 [ラ]
特防: 187+
最大HP: 177
天候: (ふつう)
相性: ×1
ガオガエン
道具:バンジのみ
特性:いかく
性格:しんちょう
201(244)-135-110-×↓-154(236)↑-84(28)
この構築で唯一ルナアーラ耐性があり、相手の構築によってはこのポケモンの生存が勝負を分けることがあるため、想像以上に慎重に扱わなくてはいけない。
道具に関しては、体力最大の状態でゲンシグラードンの「だんがいのつるぎ」を受け、きのみを食べる動きが強そうだと感じたためピンチベリーを持たせている。実際、とつげきチョッキなら勝てた試合は少なかった(存在はしているが)ため、この選択で良かったと思う。
技構成に関して特筆すべき点はないが、「バークアウト」の枠はルナアーラへの処理速度を考え「DDラリアット」でも良かったかもしれない。一応バークアウトを採用することで、対身代わりゲンガーが非常に安定する。(WCSではマッチしなかったが)
また、素早さに少し降ることで詰めの場面で相手のガオガエンに「ねこだまし」を打つことが出来たり、ガエンがかち合った際にS判別することでガオガエンzを警戒できるメリットが存在するが、耐久を重視し生意気HDでも問題なかったかもしれない
ミミッキュ
道具:ミミッキュz
特性:ばけのかわ
性格:いじっぱり
131(4)-156(252)↑-100-×↓-125-148(252)
じゃれつく かげうち トリックルーム 守る
特性のおかげで、ジオコン前後問わずゼルネアスに対して強く、ミミッキュzとトリルの択を押し付けることが出来る。さらに「ねこだまし」を無効化することが出来るのが非常に強力。
努力値に関しては、非トリックルーム下で上からゼルネアスに「ぽかぼかフレンドタイム」を選択する場面を考慮し、準速にしてある。また、z+「かげうち」のダメージが重要になってくる場面も多いため、火力は特化。
ダメージ計算(参考)
★攻撃面
VS: 耐久無振りゼルネアス
攻: ミミッキュ Lv.50
防: ゼルネアス Lv.50
ダメージ: 193〜228
割合: 96%〜113.4%
回数: 乱数1発 (75%)
急所ダメージ: 289〜342
割合: 143.7%〜170.1%
補正: (ダメージ補正なし)
技: じゃれつく[Z]
威力: 252 [妖オーラ?]
タイプ: フェアリー*/物理
攻撃: 156+
防御: 115
最大HP: 201
天候: (ふつう)
相性: ×1
攻: ミミッキュ Lv.50
防: ゼルネアス Lv.50
ダメージ: 31〜37
割合: 15.4%〜18.4%
回数: 乱数6発
急所ダメージ: 46〜55
割合: 22.8%〜27.3%
補正: (ダメージ補正なし)
技: かげうち
威力: 40
タイプ: ゴースト*/物理
攻撃: 156+
防御: 115
最大HP: 201
天候: (ふつう)
相性: ×1
カプ・コケコ
道具:フェアリーz
特性:エレキメイカー
性格:おくびょう
146(4)-×↓-105-147(252)-95-200(252)↑
オーガレックにありがちなフェアリーzコケコ。
この構築は全体的に素早さが遅いので、レックウザやウルトラネクロズマ等に上から殴れる希少な人材。
オーガの隣にいるときに、ボルチェンからレヒレ、レック、ガエンを投げる動きがめちゃつよだった(小並感)。
Bo3の1戦目から出すことはほぼないため選出回数は決して多くはなかったが、2戦目か3戦目に出した試合は大体拾えていたので、採用してよかったと思う。
ちなみに、D4振りではなくH4振りにすることでカプ・コケコのマジカルシャインzの乱数が少しずれるほか、「しぜんのいかり」を受けた時にピンチベリーを匂わすことができる。
ダメージ計算
★攻撃面
VS H4振りコケコ
攻: カプ・コケコ Lv.50
防: カプ・コケコ Lv.50
ダメージ: 139〜165
割合: 95.2%〜113%
回数: 乱数1発 (68.8%)
急所ダメージ: 210〜247
割合: 143.8%〜169.1%
補正: (ダメージ補正なし)
技: マジカルシャイン[Z]
威力: 160
タイプ: フェアリー*/特殊
特攻: 147
特防: 95
最大HP: 146
天候: らんきりゅう
相性: ×1
おまけ:WCS前に使っていた個体紹介
オンライン大会で使用
ガオガエン
道具:とつげきチョッキ
特性:いかく
性格:いじっぱり
201(244)-148↑-110-×↓-140(236)-84(28)
ツンデツンデ
道具:カクトウz
特性:ビーストブースト
性格:ゆうかん
167(244)-201(252)↑-231-×↓-123(12)-16
(s個体値0)
JCSライブ大会で使用
テッカグヤ
道具:オボンのみ
特性:ビーストブースト
性格:しんちょう
204(252)-121-123-×↓-168(252)-82(4)
選出等
選出
「この手の構築にはこれ!」みたいな絶対的な選出は決めず、基本的にその場で考えてました。特にBO3の2戦目、3戦目以降は1戦目得られた情報を基に、殆ど選出を変えていたと思います(1戦目の勝敗に関わらず)。
ただ、相手のパーティによって一応選出の傾向のようなものはあるのでここに書いておきます。(ついでに主観パーティ相性も)
記号
◎:有利
〇:微有利
ー:有利不利つかない
△:微不利
× :不利
VS グラゼルネ ◎
パターン①
初手
レヒレ オーガ
裏
レック ミミッキュorガエン
パターン②
初手
裏
オーガ レック
VS オーガレック 〇
パターン①
初手
コケコ レック
裏
パターン②
初手
オーガ レヒレ
裏
レック ガエンorミミッキュ
VS ゼルネレック ー
パターン①
初手
ガエン ミミッキュ
裏
レック オーガ
パターン②
初手
レック レヒレ
裏
オーガ ガエン
VS ルナオーガ △
パターン①
初手
オーガ レヒレ
裏
レック ガエン
パターン②
初手
オーガ ガエン
裏
レック レヒレ
VS ルナアーラグラードン ー
パターン①
初手
オーガ レヒレ
裏
レック ガエン
パターン②
初手
オーガ ガエン
裏
レック レヒレ
パターン③
初手
オーガ レック
裏
レヒレ ガエン
VS グラードン日ネクロ ◎
パターン①
初手
オーガ コケコ
裏
レック レヒレorガエン
パターン②
初手
オーガ レヒレ
裏
レック ガエン
VS イベルオーガ ◎
パターン①
初手
レック レヒレ
裏
オーガ ミミッキュorガエン
パターン②
初手
レック コケコ
裏
VS レックウザソルガレオ ×
パターン①
初手
オーガ コケコ
裏
レック レヒレorガエン
パターン②
初手
オーガ レヒレ
裏
レック ガエンorコケコ
VS グラードンソルガレオ ×
パターン①
初手
オーガ コケコ
裏
レック レヒレorガエン
パターン②
初手
オーガ レヒレ
裏
レック ガエン
大体こんな感じだと思います。
多分何かが抜けているけど許してください..
きつい構築
一見ゼルネアスが刺さっているように見えますが(結構な人に言われた)、実際には立ち回りである程度カバーできるためどうにかなります。一方で本当に厳しいのはソルガレオ、ルナアーラ入りの構築で、特にソルガレオレヒレみたいな並びはほぼ無理....
感想・反省
1からほぼ一人で作り上げた構築でWCSday2まで行けたことはとても自信になったし、WCSという大舞台での緊張感のある対戦はいい経験になったと思います。
反省点は、配信卓3戦目でのプレイングミスを引きずり、後の試合に影響を及ぼしてしまった事です。
これは完全に自分のメンタルの弱さが出てしまっていて、あと2戦勝てていればトップカットに残れていただけに、非常に悔しい思いが残っています。実際、冷静にプレイ出来ていれば拾えていたであろう試合もあったので、精神面の重要さを改めて感じました。
WCSイベント全体としては、本当に楽しすぎました。これ絶対行ったほうがいい。
世界各国から来た強豪との対戦・交流も、サイドイベント独特の賑やかさも最高でした。特に、生のWCS決勝戦は迫力がすごかったです。。。(てかBGMが最高)
殆どダブルバトル初心者同然だった僕でも一年ほど努力してここまで来れたので、シングル勢の皆さんもポケモンやめた人も、来年は心機一転ガラルダブル一緒に頑張りましょう。
長くなりましたが、ここまで読んでくれてありがとうございます。
QRパーティのリンクも記事上部に貼ってあるので、是非使ってみてください。
何か質問や間違い等ありましたら、@arapoke_as にご連絡ください。
最後に、
・構築相談に乗ってくれたpokerikadai員
・初対面にも関わらず現地で交流させて頂いた日本人の皆様
・対戦していただいた各国の方々
・リプライ等で応援していただいた皆様
本当にありがとうございました。
また来年ロンドンで会いましょう!お疲れ様でした!!
おわり